セッション 3

アジアが主導するテロと戦争のない世界づくり:
民間だからこそできること

われわれは、突如として対立がエスカレートして武力紛争に立ち至るケースを、いまも世界各地で目撃しています。そして、その対立する相手との調停や仲裁など、和平に向けた取り組みは、主に国連の舞台や政府によって行われています。

しかしながら民間においても、より柔軟な立場で、対立する当事者との間に立ち、意見の相違が武力による対立に立ち至らないような活動を展開する団体が存在します。それらの団体の活動は、静かに水面下で行われることが多く、メディアで華々しく取り上げられることは多くはありません。

このパネルディスカッションでは、国連でも政府でもなく、民間の非営利組織が、テロと戦争のない世界をつくるにあたって果たすことのできる役割は何か、平和づくりという文脈において、DE&Iが何を意味するかという点にフォーカスを充て、議論を行います。

モデレーター

  • 日本財団 特定事業部 部長

    世古 将人氏

    (公財)日本財団特定事業部部長。ハンセン病制圧活動をはじめとする公衆衛生、世界的・地域的課題に取り組む知的対話、人材育成やリーダーシップ開発に焦点を当てたさまざまなプログラムを統括。日本財団以前は、スリランカ政府とタミル・イーラム解放の虎との紛争時にスリランカで和平調停を推進した日本のNGO、日本予防外交センターに勤務。その後、笹川平和財団に移り、アジア太平洋地域のプログラムオフィサーとして、平和促進、紛争変革、非伝統的安全保障、国際移住などを担当。

登壇者

  • テマセク財団 シニア・ディレクター

    ジェームス・チャン氏

    チャン氏は、2017年にテマセク財団に入社。同財団は、シンガポール国内外のコミュニティが必要としている分野を特定し、解決策を試行するプログラムの先頭に立って活動することを目的とし、地球、人々、平和、進歩に影響を与えている。

    チャン氏はテマセク財団で、組織の企画と開発、プログラム財務と開発管理などのさまざまな職務を担う。 現在の職務では、さまざまなパートナーと協力して、世代を超えた結束を育み、生活を向上させるためのプログラムを開発するチームを率いている。

    シンガポール国立大学で社会科学学士号(優等)、シドニー大学で国際学修士号を取得。

  • 笹川平和財団 主任研究員

    堀場 明子氏

    (公財)笹川平和財団平和構築支援グループ主任研究員。ジャパンプラットフォーム理事。東京工業大学、法政大学にて非常勤講師。上智大学大学院外国語学研究科地域研究専攻にて博士号(地域研究)取得。 専門は紛争分析、平和構築、東南アジア(特にインドネシア)地域研究。笹川平和財団では、タイ深南部を中心に東南アジアの平和構築事業、女性・平和・安全保障(WPS)アジェンダの促進やアジアの脱過激化の事業を担当している。

  • セワランカ財団 会長

    ガラハピティイェ・ペルマラタナ氏

    ・スリランカ・クルネガラの古刹「 Sri Miyugunarama Raja Maha Viharaya 」住職(ヴィハーラディカリ)
    ・ネパール、ルンビニ市のスリランカマハヴィハーラヤの住職(Viharadhipathi)
    ・エミレタス(マホドピヤ)名誉教授(武士道研究)
    ・宗教間平和会議議長
    ・スリランカ大統領のスピリチュアル・アドバイザー
    ・セバランカ基金保証有限会社名誉会長(スリランカ)

  • アクセプト・インターナショナル 代表理事

    永井 陽右氏

    NPO法人アクセプト・インターナショナル代表理事。テロと紛争の解決をミッションに、主にソマリアやイエメンなどの紛争地にて、いわゆるテロ組織の投降兵や逮捕者、戦争捕虜などの脱過激化と社会復帰支援を実施。テロ組織との交渉および投降の促進、国連機関や現地政府の政策立案やレビュー、国際規範の制定などにも従事。国連関係では暴力的過激主義対策メンター、専門家会議や専門作業部会のメンバー等。博士(社会科学)。国内外で受賞・選出多数。主な著書に『紛争地で「働く」私の生き方』(小学館)。